風呂の浴槽に水を溜める

大地震が発生すると電気、ガス、水道のライフラインが寸断します。

今回の熊本地震では場所によっても違いますが、私の住む地域では最初の震度7の前震では電気、ガス、水道ともに寸断しませんでした。

しかし、2回目の震度7の本震ですべてのライフラインが寸断しました。

被害の最も大きかった益城町では、最初の震度7の前震でライフラインが寸断したところも多かったようです。

普段当たり前のように使っている電気、ガス、水道のライフライン、これがないと一気に不自由な生活を余儀なくされます。

家族ともよく話しますが、当たり前に使っている電気、ガス、水道のライフラインがどんなに有り難いか、これほど身に染みたことはありませんでした。

台風の影響でたまに停電することはありますが、水の豊富な熊本で断水は近くで水道工事がない限り経験したことがありませんでした。

その水の豊富な熊本で、多くの人が水に困ってしまったんです。

飲み水もそうですが、それ以上に困ったのが生活用水です。

 

飲み水は何とかなる

飲み水がないと命にかかわります。

私の場合、飲み水についてはご近所でストックを分け合ったり、行政や自衛隊が給水車で給水したりと、どうにかなったんです。

熊本はあちこちで湧き水が湧いていますので、最悪の場合、そこまで行けば飲み水の確保はどうにかなるという変な安心感がありました。

熊本地震では飲み水について行政や自衛隊の対応は早く、私も近くの小学校に飲み水をもらいに行きました。

道路が寸断されて孤立した地域にもヘリコプターで対応していましたので、命にかかわる飲み水については、国や行政も何とか対応すると思います。

 

困ったのは生活用水

飲み水は何とかなりましたが、困ったのは生活用水です。

生活用水と一言で言っても色々ありますが、最も困ったのは水洗トイレを流す水なんです。

洗濯などできませんし、風呂も入れません。

それは仕方ないんですが、トイレだけはどうしようもないんです。

小だけなら何とかなりますが、大はそのまま放置するわけにはいきません。

おまけに、水洗トイレを流すにはバケツ1杯、約10リットルの水が必要です。

10リットルの水って結構な量なんです。

 

地震が発生したらとにかく風呂の浴槽一杯に水を溜める

水洗トイレを流す水として役立ったのが浴槽に溜めた水でした。

私は浴槽に水を溜めていなかったんですが、隣にある実家で母が浴槽に水を溜めていたんです。

これも地震があって溜めたのではなく、風呂の残り湯を洗濯に使おうと溜めていたものだったんです。

ですから、入浴剤入りの薄い緑がかった水(残り湯)でした。

これが本当に役に立ったんです。

隣の実家の両親と弟、私と家内の5人は地震から身を守るため、新築の私の家の方が安全だろうと私の家に集まっていました。

5人もいると結構トイレも頻繁に使います。

その都度、隣の実家の風呂場からバケツ1杯の水を汲んできて使っていました。

ここから得た教訓は、大地震が来たらとにかく浴槽一杯に水を溜めるということなんです。

大地震ではいずれ水道も止まりますが、すぐには止まりません。

近くの水道管が断裂した場合はすぐに止まってしまうかもしれませんが、そうでなければしばらくは水が出るはずです。

我が家も震度7の本震後数時間は水が出ていました。(水の出がだんだん悪くなり最後は止まってしまいますが)

その際はできるだけ鍋、やかん、ペットボトルなどに飲み水も溜めておきましょう。

生活用水は浴槽だけでなく、バケツや洗面器にも溜めておきます。

マンションの場合は屋上に給水タンクで水が溜めてあるところも多いでしょうから、タンクにある分の水は確保できるはずです。

妹はマンション暮らしですが、結構な時間水が出ていたそうです。

浴槽に溜めた水は口にすることはできませんが、上述の通り水洗トイレの水としても使えますし、手洗いや洗顔にも使えます。

当分は風呂やシャワーも使えませんから、体を拭いたり頭を洗うことだってできます。

避難所となった近所の小学校の体育館では、歯磨きで口をすすいだ水をバケツに溜めて、その水をトイレを流すのに使っていました。

それくらい水は大事なんです。

大地震が起こったら、風呂の浴槽一杯に水を溜めましょう。

必ず役に立ちます。

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