家族と話し合っておく事

大地震はいつ何時に襲ってくるかわかりません。

ですから、地震に備えて家族が慌てず行動できるよう日頃から話し合い、情報を共有しておくことが大切です。

言い換えれば家庭での防災会議です。

これによって防災意識も高まりますし、いざという時に家族が迷うことも少なくなります。

では、どのようなことを話し合い、決めていけばよいのか、具体的に見ていきましょう。

 

曜日と時間帯ごとのケースを考える

台風と違って地震はいつ起こるかわからないことが最も厄介なんです。

ですから、時間帯や誰が在宅してるかなど様々なケースを想定し話し合っておきましょう。

大きく分ければ平日と休日、平日であれば外出時と在宅時、在宅時であれば起きている時と就寝時になります。

細かく考えれば会社勤めであれば会社にいる時、営業で外出している時、通勤・帰宅途中のケースを考えます。

子供さんであれば学校にいる時、通学・帰宅途中のケースを考えます。

話し合いでは想定したケース毎にどのように行動するか、在宅時のケースでは誰がど宜しくお願い致しますような役割をするかなどの分担を決めるほか、高齢者や乳幼児など家族構成も考慮しておく必要があります。

基本はまず生命を守ること、ケガをしないことで、その次に財産を守ることを考えます。

外出時は様々なケースが考えられますので、ここでは割愛し、在宅時のケースで基本的なことを考えてみます。

家の中でどこが一番安全か

家の中で避難する場合どこが一番安全かを考えます。

大地震に遭遇した場合、机やテーブルの下に隠れるというのがよく言われますよね。

これは、上からの落下物から身を守るための、あくまでも緊急回避的な行動になります。

私が熊本地震に被災した際は、すぐ横にダイニングテーブルがあったにもかかわらず、一歩も動けませんでした。

あまりの揺れの激しさに動けないんです。

私は最初の大きな揺れに遭遇した場合は、むやみに動かず落下物から身を守るために、近くにあるもので頭をカバーするしかないように感じました。

近くにあるものとは、クッションでも雑誌でも新聞でも何でも構いません。

とにかく、身を守り揺れが収まるのを待つんです。

それから、すぐにやって来る大きな余震に備えて、家の中の安全な場所に避難する方がいいと思います。

一般的に地震で安全な家の中の場所は次のようなところだと言われます。

・トイレ

・風呂場

・玄関

・納戸

共通するのはこれらの狭い空間は四方に柱があり、構造的に強いと言われているんです。

しかし、最近の家はほとんどの風呂場ががユニット式で、四方に柱がない場合が多いんです。

人それぞれ家の状況は違います。

ですから、それぞれの家の状況に応じて家族で検討し、どこに避難するかを話し合っておいて下さい。

また、注意点としては家の中のどのスペースに避難するにしても、その入り口のドアや窓は開けておくようにして下さい。

なぜなら、地震によって建物が歪み、ドアを閉めると中に詰め込まれて出られないケースがあるからです。

避難場所、避難路はどこか

家の中が危険であると判断した場合、外に避難することになります。

それぞれの市町村といった自治体は緊急時の避難場所を設定しています。

学校や体育館、公園などが指定されていることが多いようです。

ですから、自宅の最寄りの避難場所がどこであるかを確認し、家族全員に周知徹底しておきます。

その際、自宅から避難場所までの安全な避難路を決めておくのもよいでしょう。

家族がバラバラに外出している際に大地震に遭遇、各自が帰宅して誰もいないなどのケースでは最寄りの避難場所に行くという取り決めをしておいてもいいですね。

非常用持出袋はどこに置いてあるか

外に避難する際に持ち出すのが非常用持出袋です。

非常用持出袋の中には地震から身を守ったり、被災後の生活に役立つものを入れておきます。(非常用持出袋に入れる物については「地震で役に立つグッズ(道具)」の章をご参照下さい。)

この非常用持出袋はいざという時のためのものですが、いざという時がなかなかやってこない場合、保管場所が忘れ去られる場合があるんです。

ですから、非常用持出袋がどこに置いてあるかを家族全員で共有し、また、誰が持ち出すかなどを決めておくとよいでしょう。

 

家族との連絡方法を確認する

夜や早朝など家族全員が財炊きしていればいいんですが、家族が離ればなれで被災した場合、自分の身の安全が確保できたら、次は家族の安否を確認しましょう。

大地震直後は携帯電話はおろか、固定電話さえつながらなくなります。

熊本地震の震度7の前震は21時26分に発生しました。

妹は部活を終えた長女と連絡が取れず、とても心配したそうです。

震災直後の被災地では、連絡手段が限られていますので、公衆電話等から利用できるNTTの「災害伝言ダイヤル171」や携帯電話の「災害用伝言板」などのサービスがあるので活用方法を知っておきましょう。

災害伝言ダイヤル171

災害用伝言ダイヤルは、地震、噴火などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に提供が開始される声の伝言板です。

災害用伝言ダイヤルは、被災地内の電話番号および携帯電話等の番号をキーとして、安否等の情報を音声情報として蓄積し、録音・再生できるボイスメールです。

災害用伝言板

NTTドコモ、ソフトバンク、auなどの携帯電話会社では、大規模な災害時に携帯電話やスマートフォンで安否確認ができる「災害用伝言板」を提供しています。

「災害用伝言板」とは震度6弱以上の地震など、大きな災害が発生した時に、被災地域にお住まいまたはご滞在中の方が、携帯電話やスマートフォンからご自身の状況を登録していただくことができ、登録された安否情報はインターネットなどを通じて、確認していただける災害時専用のサービスです。

また、あらかじめ指定したご家族や友人に対して、災害用伝言板に登録したことをメールでお知らせしたり(登録お知らせメール)、被災地の方に災害用伝言板への安否情報の登録を依頼(登録お願いメール)することも可能です。

 

「災害伝言ダイヤル171」や携帯電話の「災害用伝言板」の具体的な利用方法は各電話会社のホームページ等でご確認ください。

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