熊本地震から1年後の熊本城の様子

熊本地震の本震からちょうど1年後の2017年(平成29年)4月16日に熊本城を訪ねてみました。

日本三大名城の熊本城は熊本市のシンボルであり、熊本人の誇りでもあります。

熊本城の痛々しい姿はテレビでもよく報じられていましたし、熊本市の中心部に位置していることから、遠目では眺めていました。

しかし、その無残な姿を見たくないとの思いもあり、お城の近くにまではなかなか行く気になれずにいました。

今年の大型連休明けから本格的な復旧工事が始まり、お城がシートに隠されるとのことで、今の熊本城を見ておきたいと思い、本震から1年後の4月16日に家内とお城に行ってみました。

実際訪ねてみた熊本城は報道で見ていた以上に損傷が酷く、私の想像をはるかに超える被害状況でした。

私が見た熊本地震から1年後の熊本城の様子をご紹介します。

 

石垣のあちこちが崩壊

現在の熊本城は当然立ち入り規制が行われており、近づけるのは二の丸公園から場内の加藤神社にかけてのごく一部です。

まず、二の丸公園に行ってみました。

本震のちょうど1年後ということでしょうか、実にたくさんの観光客で賑わっていました。

しかし、二の丸公園に着いてすぐ目に飛び込んできたのが阿智ことで崩壊している石垣でした。

二の丸公園から熊本城に向かう道は崩壊した石垣で道が塞がれていました。

石垣で塞がれた道です

上記のアップです

少し歩いてみると、あちこちで石垣が崩壊している姿が目に入りました

堀の横の石垣です

上記のアップです

別角度からの写真です

天守閣の外周にある三階建ての戌亥櫓は土台の石垣の中が崩落し、隅石だけで支えられている状態でした。

戌亥櫓も全景です

隅石だけで支えられています

 

崩壊した石垣の石は一か所に集められている

崩壊した石垣の石は再び同じ位置に戻されて修復を行います。

複雑なパズルなんてもんじゃありません。

本当に気の遠くなるような作業です。

二の丸公園の一角には崩壊した石垣の石が一か所に集められていました。

遠目から見るとこんな感じです

違う角度です

石には一つ一つナンバーが振られています

熊本城の修復には20年の歳月と600億円の費用がかかると言われています。

その労力の大半が石垣の修復ではないでしょうか。

熊本城の石垣は天守に向かって反っており「武者返し」と言われる美しい石垣です。

あの美しい姿が蘇るのは、まだまだ随分先の話のようです。

 

天守閣も無残な姿に

熊本城の中心と言えば天守閣です。

天守閣には近づくことはできませんでしたが、遠目で見てもその無残な姿に悲しくなりました。

天守閣には大型クレーンが掛かっていました

屋根瓦の多くが落ちています

別角度からの天守閣です

外壁の一部も崩落しています

天守閣については2019年(平成31年)までに再建される予定です。

 

以上が熊本地震から1年経った熊本城の様子です。

熊本地震で避難生活を余儀なくされている方はまだ多く、社会インフラも完全に復旧できていない中、お城の修復に膨大な費用と時間をかけるのはいかがなものかという意見もあります。

被災した立場からすれば、そのような意見も当然だと思います。

しかし、熊本城の復活は間違いなく熊本が熊本地震から立ち直ったという証でもあるんです。

熊本城の修復には20年の歳月が必要です。

その時、私は70代半ば。

その時も元気でいられればいいのですが・・・

とにかく、蘇った熊本城をこの目でみたい、そして熊本の復興をこの目で見たいというのが私の切なる願いです。

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