非常用持出袋はこの章で取り上げてきた「地震で役に立つグッズ(道具)」をまとめて入れておき、いざという時に持ち出す袋の事です。
この非常用持出袋はなんでもいいんです。
「地震で役に立つグッズ(道具)」が入れられて、手に取ってすぐ避難できれば構いません。
リュックサックでもいいし、巾着袋でも構いません。
要は必要なものが入れられて、持ち出しに便利であればいいんです。
1つの袋にしなければならないこともありません。
持ち出しができるのであれば、2つや3つに分けることもOKです。
なんと、100円ショップにも非常用持出袋が売られています。
防災ショップのしっかりした専用の非常用持出袋はそれなりの値段がするようですが、100円ショップの非常用持出袋は100円です。
しかしそこは100円、ポリエステル製で防火加工などはありません。
それでも構いません。
いざという時に持ち出せさえすればいいんです。
非常用持出袋に入れる物
非常用持出袋には何を入れればいいんでしょう。
「地震で役に立つグッズ(道具)」で様々な物を紹介しましたが、これを全部入れることはちょっと無理でしょう。
この中から、生活環境などを勘案して必要だと思うものを入れておけばいいんです。
もちろん、「地震で役に立つグッズ(道具)」で取り上げた物以外にも、必要だったり役に立つものはたくさんあるはずです。
この章で紹介したグッズ(道具)は私が熊本地震に被災した経験や聞いた話をもとに取り上げています。
要はいざという時に役に立つものが入っていればいいんです。
都心と郊外、戸建てとマンション、北海道と九州、山合と海沿い、それぞれの環境で必要なものは変わってきます。
どのようなものを非常用持出袋に入れるか、一度家族全員で話し合ってみてはいかがでしょうか。
そうすることで防災意識もグッと高まると思います。
非常用持出袋を置いておく場所
寝室
私は熊本地震に被災した経験から非常用持出袋は寝室に置いておくのがいいと思います。
昼間の地震でしたら家の中の状況が目で確認できますが、夜間に発生したら停電も重なりそれこそ真っ暗闇の世界です。
そして、そこには割れたガラスや陶器が散乱し、家の中が一気に危険地帯と化すんです。
夜間も起きている時間と寝ている時間がありますが、起きている時間であれば身構えたりとっさの行動が可能ですが、寝ている時間は全くの無防備です。
ですから、総合的に考えると寝ている場所の近くに非常用持出袋があると便利だと思います。
ベランダ
寝室とはいえ、非常用持出袋を無造作に置いておくと見た目も悪いですよね。
もし、寝室がベランダとつながっているのでしたら、ベランダにベランダストッカーを置いて、そこに保管する方法もあります。
私も東京に住んでいたころは、ベランダにベランダストッカーを置いてその中に非常用持出袋を入れていました。
そうすると見た目もスッキリしますし、いざという時の持ち出しも便利です。
寝室とベランダがつながっている間取りは結構多いので、ベランダも非常用持出袋に保管場所候補として考えられます。
リビング
家の中で最も長く過ごす場所がリビングです。
ですから、リビングにいる時地震に遭遇する可能性も高いんです。
私は熊本地震で前震はリビング、本震は寝室で遭遇しました。
リビングの収納に非常用持出袋を置いておく方法もあると思います。
玄関
大地震が発生し外に避難する場合はほとんどが玄関から脱出すると思います。
非常用持出袋は外に持ち出すものですから、最終的な動線となる玄関に置いておく方法もあります。
以上、非常用持出袋を置いておく場所の候補をいくつか取り上げましたが、最終的には皆さんの生活環境や生活パターンに応じて、最も適切な場所に保管されることが大切です。
通帳、印鑑は非常用持出袋に入れない
いざという時はお金が必要だろうと通帳と印鑑を非常用持出袋に入れがちですがこれは間違いです。
震災直後はお金を使うシーンがないんです。
なぜなら、店が開いてないからです。
震災直後は自分の身を守ることが先決で、非常用持出袋はそのためのツールを入れておくべきなんです。
簡単に持ち出せる非常用持出袋に通帳と印鑑を入れておくこと自体が防犯上も危険ですし、通帳と印鑑を外に持ち出す必要は一切ありません。
熊本地震でもそうでしたが、こういった大災害では身分証明書だけで預金の引き出しができるように金融機関が対応するんです。(引き出し金額の上限はあります)
ですから、通帳と印鑑は非常用持出袋に入れないようにして下さい。
通帳と印鑑は家の中の安全な場所に保管しておいて下さい。