逃げタオル運動は疑問

東日本大震災の時もそうでしたが、熊本地震の後もテレビのコマーシャルは大幅に減り、ACジャパンの広告が頻繁に流れました。

ACジャパンは昔の公共広告機構で大災害が発生した時の臨時キャンペーンを扱ったりしています。

なぜ、大災害が発生した際、ACジャパンの広告が増えるかと言えば、これはスポンサーの意向だそうです。

地震や大災害が起こると通常の番組はすべて休止して報道番組に切り替わります。

災害の映像や被害者などの映像と一緒に自社の製品・商品をアピールするのはかえってマイナスのイメージになってしまうことから、スポンサーはCMを流さないようにテレビ局に依頼をかけますが、テレビ局としても直前にCM枠の変更などが難しい場合もあり、こういう時に用意しているのがACジャパンのCMになります。

熊本は田舎ですので、テレビコマーシャルでビックリするくらいパチンコ屋のCMが流れます。

今思えば、震災後3か月くらいはパチンコ屋のCMはなかったように思います。

確かに、地震のあとパチンコ屋のCMが流れていたら違和感がありますよね。

前置きが長くなりましたが、熊本地震の際、ACジャパンの広告でちょっと違和感のある広告が流れていました。

それが「逃げタオル運動」の広告です。

 

逃げタオル運動

「逃げタオル運動」は福岡県の大野城市で実際に行われているそうで、災害の避難時に玄関やポストなど目立つところにタオルをかけて逃げる運動です。

そうすることで救助や捜索活動をする人たちが無駄な行動をとらなくて済みます。

逆にタオルのかかっていない家には声をかけて安否を確認するといったものです。

実際の映像がこちらになります。

 

この広告を見て「おい、大丈夫か?」と思ってしまいました。

この感想は私だけではなく、家内も私の両親も同じように感じていたそうです。

確かに、地震直後はその家の家人の安否確認には有効だと思います。

しかし、この家は留守ですよと知らせていることにもなるんです。

皆さんご存知の通り、日本人の民度は高く、大地震のような災害の際でもパニックにならず、給水でも整然と順番を守り、そのマナーの素晴らしさは海外でも高く評価されています。

世界一の大国アメリカでもそうはいかないでしょうし、お隣のもう一つの大国などはそのパニックぶりが容易に想像できます。

東日本大震災の時もそうでしたが、熊本地震においても熊本県民の態度は立派だったと思います。(一部残念な人もいましたが・・・)

しかし、そんな日本でも空き巣被害といった火事場泥棒は少なからずいたんです。

本当に許せないんですが、あのような悲惨な状況の中で火事場泥棒に走る輩は必ずいます。

実際、熊本地震で本震直後から空き巣は頻発しており、逮捕されたのは他県からやってきた窃盗グループが多かったようです。

中にはワゴン車に乗り込んだ数人が消防団の恰好をして、安否を確認するふりをして窃盗を働くなど、本当に許しがたい連中もいました。

また、空き巣が頻発したある地域では、玄関先に何かの目印でしょうか、チョークで「×」印の書かれたお宅もたくさんありました。

役場ではそのような印は一切付けていないとのことで、窃盗団の目印だと思われます。

話を「逃げタオル運動」に戻します。

この「逃げタオル運動」のタオルこそ、窃盗団が玄関にチョークで書いた「×」印と同じように思えてならないのです。

まさに、我が家は留守ですよと泥棒に教えているのと同じなんです。

確かに、先ずは生命を守る行動が大切です。

それを確認する上で「逃げタオル運動」は有効だと思いますし、救助や捜索活動をする人たちも助かると思います。

しかし、震災で命からがら逃げだして、家に帰ったら空き巣に荒らされていたなんて最悪ですよね。

被災するだけでも大ショックなのに、その上泥棒に入られてしまうなんて、二重三重のショックです。

そんなこともわからず火事場泥棒をする輩は死刑にしても構わないと本気で思います。

この「逃げタオル運動」、有効性は確かに認めますが、私は正直違和感があります。

皆さんはどのようにお考えですか?