地震の震度とマグニチュード

熊本地震では震度7の揺れを2回観測しました。

私は当時知らなかったのですが、震度は気象庁の震度階級で7が最高でそれ以上はないんです。

震度8や震度9があると思っていました。

私が経験した2回の震度7の揺れは、最初の前震よりも後の本震の方がはるかに大きく感じました。

しかし、気象庁の震度階級は震度7までしかありませんので、体感的には本震は震度8(実際にはありませんが)クラスの揺れのように感じました。

震度とマグニチュードは違いますが、前震、本震共に震度は7でしたが、地震の規模を示すマグニチュードは前震が6.5、本震は7.3でした。

ここでは地震の基礎知識として、震度とマグニチュードについて説明します。

 

地震の震度とは

地震が発生すると、震源に近い場所では揺れが大きく、震源から遠い場所では揺れが小さくなります。

大きな地震では揺れは大きくなり、小さな地震では小さくなります。

このような揺れの大きさを表現する尺度が震度です。

気象庁では、計測震度計という揺れの大きさを測る機械を使って揺れの大きさを数字(計測震度)に変換した後、さらにそれを震度階級に変換して発表しています。

震度とは、元来、地震動が人や家屋、構造物に与えた影響を観察することでその地震動の強さを推定しようというもので、世界共通ではありません。

我が国で用いられている震度(階級)は、10階級の気象庁震度階級と呼ばれるもので、計測震度計を用いて観測し、地震発生直後に速報しています。

気象庁震度階級関連解説表による震度と揺れの目安は次の通りです。

震度 概要
震度0 人は揺れを感じない
震度1 屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる
震度2 屋内にいる人の多くが、揺れを感じる
眠っている人の一部が、目を覚ます
震度3 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる
恐怖感を覚える人もいる
震度4 かなりに恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする
眠っている人のほとんどが、目を覚ます
震度5弱 多くの人が身の安全を図ろうとする
一部の人は、行動に支障を感じる
震度5強 非常な恐怖を感じる
行動に支障を感じる
震度6弱 立っていることが困難になる
震度6強 立っていることができず、はわないと動くことができない
震度7 揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない

 

震度7を2度経験しましたが、まさにこの通りで全く身動きが取れませんでした。

ちなみに、震度とは地面の揺れの強さで表します。

同じ地震でも地盤や同じ建物でも階により揺れの程度が違ってきます。

家の地盤が悪かったり、高層マンションの上の階に住んでいれば、震度以上の揺れを感じることになります。

地域で想定されている震度を基に実際に自宅や職場がどれくらい揺れるのか知っておくことが必要です。

 

地震のマグニチュードとは

マグニチュードは地震そのものの大きさを表すもので、実際の揺れの強さを意味するものではありません。

マグニチュードと震度の関係は、例えば、マグニチュードの小さい地震でも震源からの距離が近いと地面は大きく揺れ、「震度」は大きくなります。

また、マグニチュードの大きい地震でも震源からの距離が遠いと地面はあまり揺れなく、「震度」は小さくなります。

マグニチュードは1増えると地震のエネルギーが32倍になります。

マグニチュード8の地震は、マグニチュード7の地震の32個分のエネルギーを持っていることになります。

ということは熊本地震は前震、本震共に震度は7でしたが、地震の規模を示すマグニチュードは前震が6.5、本震は7.3ですから、本震のマグニチュードの方が前震よりも0.8大きいので地震の規模ははるかに大きかったことになります。

道理で本震の方が前震より揺れたように感じたわけです。

ちなみに東日本大震災のマグニチュードは9ですので、いかに規模の大きな地震であったかがわかります。

ですから、震源地に近い東北で震度7の強い揺れを観測しただけではなく、東京や千葉でも震度5を観測するなど、広範囲に揺れが観測されたんですね。

 

以上のように震度はその地点での揺れの程度、マグニチュードはその地震の大きさや規模を表すんです。

私たちが被る地震の被害はやはり震度次第ということになるでしょう。

震度は地面の揺れの強さで表します。

高層マンションの1階と20階では、同じ場所であっても実体的な震度はかなり違います。

私は熊本地震で震度7の揺れを2回経験しました。

本当に身動き一つ取れませんでした。

家の地盤が悪かったり、高層マンションの上の階に住んでいるのであれば、仮にその地域に震度6の地震が発生した場合、実態的には震度7の揺れを受けている可能性があるんです。

地震はいつ何時襲ってくるかわかりません。

しっかりした地震への備えと対策を行い、あなたとご家族の命と健康、財産を守る準備が何より大切なんです。